ソフトウェアのインストールがすべて完了しました。 ここでコンピューターを再起動しますが、いくつか注意しておいて下さい。 本書を通じて構築したシステムは最小限のものです。 これ以降にさまざまなことを繰り広げていくには、機能が不足しているはずです。 もうしばらくは今までと同じように chroot 環境を利用して BLFS ブックからいくつかのパッケージをインストールしていきましょう。 その後のリブートにより新しい LFS システムを起動すれば、より一層、満足できる環境を得ることになるはずです。 以下はその際の構築例です。
Lynx のようなテキストブラウザーをインストールしておけば、仮想端末からでも BLFS ブックを簡単に参照しながらパッケージビルド作業を進めることができます。
make-ca パッケージをインストールしていると、ローカルにおいて信頼されるアンカー証明書を構築できます。 そうすればリモートサーバー(たとえば HTTPS を用いたウェブサイト)が提供する SSL 証明書をシステムが検証できます。
GPM パッケージをインストールすれば、仮想端末内にてコピーペースト操作を行うことができます。
ネットワーク環境内にて固定 IP アドレスを用いることが適当ではない場合は、dhcpcd パッケージや dhcp パッケージのクライアントモジュール部分を利用することが考えられます。
sudo をインストールすれば、root
ユーザー以外であっても、パッケージビルドとインストールを容易に行うことができます。
利用しやすい GUI 操作を通じてリモート接続を行いたい場合は openssh をインストールします。
インターネット経由により簡単にファイル取得を行うために wget をインストールします。
ワイアレスのネットワークアクセスポイントに接続する場合は、wpa_supplicant をインストールしてください。
利用するハードウェア用のカーネルドライバーが、それを適切に動作させるために何か別のファームウェアを利用している場合は、firmwares をインストールしてください。
最後に、以下に示す種々の設定ファイルが適切であるかどうかを確認します。
/etc/bashrc
/etc/dircolors
/etc/fstab
/etc/hosts
/etc/inputrc
/etc/profile
/etc/resolv.conf
/etc/vimrc
/root/.bash_profile
/root/.bashrc
/etc/sysconfig/ifconfig.eth0
さあよろしいですか。 新しくインストールした LFS システムの再起動を行いましょう。 まずは chroot 環境から抜けます。
logout
仮想ファイルシステムをアンマウントします。
umount -v $LFS/dev/pts umount -v $LFS/dev umount -v $LFS/run umount -v $LFS/proc umount -v $LFS/sys
複数のパーティションを生成していた場合は、メインのパーティションをアンマウントする前に、個々のパーティションをアンマウントします。
umount -v $LFS/usr umount -v $LFS/home umount -v $LFS
LFS ファイルシステムそのものをアンマウントします。
umount -v $LFS
以下のようにしてシステムを再起動します。
shutdown -r now
これまでの作業にて GRUB ブートローダーが設定されているはずです。 そのメニューには LFS 11.2 を起動するためのメニュー項目があるはずです。
再起動が無事行われ LFS システムを使うことができます。 必要に応じてさらなるソフトウェアをインストールしていってください。