原作: 浅見 賢 <asami@FreeBSD.ORG>. 18 October 1996.
訳: 浅見 賢 <asami@FreeBSD.ORG>. 31 October 1996.
FreeBSD の開発は非常に開かれた, 柔軟性のあるプロセスです. コントリビュータのリスト を見ていただければわかる とおり, FreeBSDは文字通り世界中の何百という人々の努力によって開発され ています. 新しい開発者はいつでも大歓迎ですので, FreeBSD technical discussions mailing list <freebsd-hackers@FreeBSD.ORG> にメールを 送ってください. また, 大勢で議論するよりは一人で静かに開発にふけりた いという人は私たちのFTPサイト ftp.freebsd.org を使ってパッチや開発中のソースを公開してくださっ て結構です. FreeBSD announcements mailing list <freebsd-announce@FreeBSD.ORG> もありますので, 他のFreeBSDユーザに自分のやっ ていることを宣伝したい時にはどうぞ使ってください.
あと, FreeBSD プロジェクトとその開発プロセスについて, どなたにも知って いていただきたいのは以下のようなことです.
FreeBSDのソースツリーは CVS (Concurrent Versions System) によってメンテナンスされています. CVSはソー スコード管理用のフリーソフトウェアで, FreeBSDのリリースにも含まれてい ます. FreeBSD の メインの CVS リポジトリ は米国カリフォルニア州のコンコルド市に存在 し, そこから世界中のたくさんのミラーサイトに コピーされています. CVSツ リーそのもの, そしてそのチェックアウトされたバージョンである-currentと-stableはあな たのマシンにも簡単に取ってくることができます. これについては ソースツリーの同期 の章をご覧ください.
ソースツリー管理者はCVSツリー への書き込み権限を持っている人, つまりFreeBSDのソースに変更を加えるこ とができる人です. (CVSでリポジトリに変更を加えるには cvs(1) commit というコマンドを使うので, これらの人々は英語では ``committers'' と呼ばれます.) 開発者にコードを送って見てもらうのに一 番いい方法は send-pr(1) コマンドを使うことです. もし, 何か問題があって send-pr が使えないなら<committers@freebsd.org>にメー ルを送っていただいても結構です.
FreeBSD コアチーム はFreeBSDプロジェク トが会社だとすると取締役会にあたるものです. コアチームとして一番重要 な役割は FreeBSD プロジェクトが全体としてよい方向に向かっていることを確 認することです. 責任感あふれる開発者を上記のソースツリー管理者として 招くこと, また仕事上の都合などでコアチームを やめた人たちの後任を見つけ ることもコアチームの役割です. 現在のコアチームのほとんどは最初は単な る一開発者としてプロジェクトに関わりはじめ, ずるずるといつのまにか深み にはまってしまった人です.
コアチームのうち何人かは特定の 担当分野 を持っており, システムのうち一部に特に重点をおいて 面倒を見ています.
Note: 忘れてほしくないのはコアチームのほとんどは FreeBSD についてはボラ ンティアであり, FreeBSD プロジェクトからは何ら金銭的な支援を受けていな いということです. ですから, ここでの ``責任'' は ``保証されたサポート'' ではありません. そういう意味で, 上記の``取締役会''という例えはあまりよく ないかもしれません. むしろ, FreeBSDのために人生を棒に振ってしまった人 の集まりといった方が正しいかも.... ;)
最後になりますが, もっとも重要で多数をしめる開発者はフィードバック やバグフィクスをどんどん送ってくれるユーザ自身です. FreeBSDの開発に外 郭から関わっていきたいという人は FreeBSD technical discussions mailing list <freebsd-hackers@FreeBSD.ORG> ( メーリングリスト情報 を見てください) に参加するといいでしょう.
FreeBSD のソースツリーに入っている何かを書いた人の リスト は日に日に長くなっています. あ なたも今日, 何か送ることからはじめてみませんか? :-)
もちろんFreeBSD に貢献するにはコードを書くほかにもいろいろな方法があ ります. 助けが求められている分野については, このハンドブックの 貢献の仕方 の節を見てください.
ひとことで言うと, FreeBSD の開発組織はゆるやかな同心円状になっています. ともすると中央集権的に見えがちなこの組織は, FreeBSDのユーザが きちんと管理されたコードベースを 容易に追いかけられるようにデザインされ ているもので, 貢献したいという人を締め出す意図は全くありません! 私た ちの目標は安定したオペレーティングシステムと 簡単にインストールして使う ことのできるアプリケーションを提供することであ り, この方法は結構うまくはたらくのです.
これからFreeBSDの開発にたずさわろうという人に, 私たちが望むことはただ 一つです: FreeBSDの成功を継続的なものにするために, 現在の開発者と同じ ような情熱を持って接してください!