原作: Mike Pritchard <mpp@FreeBSD.ORG> 26 February 1996 .
訳者: 田中 美穂子 <Mihoko_Tanaka@yokogawa.co.jp>. 6 September 1996 .
クォータシステムは, オペレーティングシステムのオプション機能で, 各ファイルシステム上で ユーザやグループのメンバが使用するディスク スペースの総量を規制したり, 作成できるファイルの個数を制限したりす ることができます. この機能は, 各ユーザ, 各グループごとに使用できる資源の総量を制限で きるようなタイムシェアリングシステム上で もっともよく使用されていま す. これは, 一人のユーザが, 使用可能な全てのディスクスペースを使い きってしまうことを防止できます.
ディスククォータを使用しようとする前に, あなたが使用しているカー ネルで, クォータが組み込まれているかどうかを 確認する必要があります. クォータを使用できるカーネルを構築するためには, カーネルコンフィギュ レーションファイルに, 次の行を追加してください:
options QUOTA
標準の GENERIC カーネルでは, この機能は有効になっていません. したがって, ディスククォータを使用するためには, カーネルをコンフィグレーションして構築しなおし, そのカーネ ルをインストールしなければいけません. カーネルの構築方法について の詳細情報は, FreeBSD カーネルのコンフィグレーション を参照してください.
次に, ファイル /etc/sysconfig の中で, ディスククォー タ機能を、使用可能に設定する必要があります. そのためには, 以下の行を変更します:
quotas=NOを次のように:
quotas=YES
FreeBSD 2.2.2 以降では, /etc/rc.conf でこの設定を行いま す. また, 変数の変更は以下のようにします.
check_quotas=YES
最後に, 各ファイルシステム毎にディスククォータを設定する ために, ファイル /etc/fstab を編集する必要があります. 全てのファイルシステムに対して, ユーザ又はグループのいずれかのクォー タ を設定することも, ユーザとグループの両方のクォータを設定すること もできます.
ファイルシステム上で, ユーザ毎のクォータを設定するためには, userquota オプションを, ファイル /etc/fstab の中 で, クォータを設定したいファイルシステムの エントリののオプションフィー ルドに追加してください. 例えば:
/dev/sd1s2g /home ufs rw,userquota 1 2
同様に, グループのクォータを設定するためには, groupquota オプションを userquota の代わりに使用 してください. ユーザとグループの両方のクォータを設定するためには, 次のようにエントリを変更してください:
/dev/sd1s2g /home ufs rw,userquota,groupquota 1 2
デフォルトでは, クォータファイルは ファイルシステムの root ディ レクトリ上に, ユーザとグループのクォータに対して それぞれ quota.user と quota.group という名前で置いてあり ます. 詳細情報は, man fstab を御覧ください. man ページには, クォータファイルを別な場所に置くことができると書い てありますが, さまざまな クォータユーティリティのうち, この機能を 適切に処理できていないものがあるので, クォータファイルをデフォルト の場所以外に置くことは勧められません.
ここまで準備ができたら, 新しいカーネルを使って, システムを立ち 上げ直してください. /etc/rc ファイルが, 自動的に適切なコマンドを起動してくれ, あなたが /etc/fstab ファイルで使用可能にした全てのクォー タに対して, 初期クォータファイルを作成してくれます. したがって, 手動で サイズ 0 のクォータファイルを作成する必要はあり ません.
通常の作業の流れでは, 手動で quotacheck, quotaon, または quotaoff コマンドを起動すべきで はありません. しかしながら, それらの作業について詳しく知りたい場合に は, man ページを御覧ください.